恋のお相手は小さな男の子
「あのな、……一応、……俺も男なの」
不機嫌そうな佑真君の口からポツリ、ポツリと呟かれるその言葉は当たり前の事。
強いて言うなら……、
「男の子だけどね」
「うっせぇ」
プイッと頬を膨らませて再び歩き始めた佑真君には、進路について話していた時の様な大人びた雰囲気なんて消えていて。
年相応なんだと思う。
けど、そんな姿にもキュッと胸が締め付けられる。
「葉月は女で、俺は男。だから、送るんだよ!」
「私は高校生で、佑真君は小学生ですけど!」
「俺にもプライドがあんだよ!気付け、馬鹿葉月!」
「プライドって」
プライドという言葉に思わずふふっと笑ってしまう。
が、それが更に佑真君の怒りのスイッチを押したらしい。
「文句でもあんのかよ?」
ギロッと私を睨み付けてくるが、余り怖くないっていう。