恋のお相手は小さな男の子
「メール?」
そう言いながら少し考える様に顎へと右手を添えた夕香。
だが、すぐに何かに気付いたらしく顔をグイッと私に近付けるとパチンと手を打った。
「あっ!それってもしかして葉月の好きな人にって事!?」
バレバレ!
夕香は鋭いというか、私がバレやすいというか。
まさかのバレバレ具合に苦笑して「ま、まあ…ね」と相槌を打つと、夕香が好奇心一杯のキラキラした目を向けてくる。
「アドレス知ってたんだ!」
「うん。この間教えてもらった」
「で、毎日メールしてるの?」
「一応、『おはよう!』と『おやすみ』って送ってる」
矢継ぎ早に繰り出される夕香からの質問に答えるも、私の答えに不満があったのか夕香の眉間に皺が寄った。
「……えっ?それだけ?」
「そ、…だけど」
明らかに可笑しいという目を向けられているけど、何が可笑しいのかが分からないから、思わず返事の言葉も詰まってしまう。