恋のお相手は小さな男の子
そう思って聞いた問い掛けに、待ってましたとばかりに夕香がふふんっと鼻を鳴らす。
そして、ニヤッと笑って口を開いた。
「そうね。例えば『今、何してる?』とかの後に、『凄い会いたくなっちゃった』とか送ってみるとか…ね」
「それだっ!!」
やたら食い付いた私に夕香も得意顔だ。
それにしても流石、夕香!
早速、夕香から教えてもらった文をメールしようとメールの作成画面を出すが、
「あっ、でも今授業中かも」
そう呟いて慌てて手を止めた。
佑真君は小学生なわけだし、私が休み時間でも佑真君は休み時間じゃない可能性だってある。
もし、佑真君の携帯が音が出るようになっていたら、私の送ったメールのせいで先生に大目玉を喰らう事になるのは佑真君だ。
年上の私がそんな引き金を引くかもしれない様な事、……絶対出来ない。
結局、ぼけっと画面を見たまま止まってしまった私に夕香が首を傾げながら声を掛けてきた。
「学生さん?葉月の好きな人っていくつなの?」
私の『授業中』の言葉が気になったのだろう。