恋のお相手は小さな男の子



「うん。本当に何でだろう。自分でも分かんない。あー、もしかしたら、昨日いっぱい泣いたからかもだね」


「ふーん。それなら良いんだけどさ」



夕香は疑ってる様な目を向けてくるけど、本当の事。


いっぱい泣くとスッキリするって言うし、それにそれ位しか思い付かない。


それ以上を追求するのを止めたのか、夕香は私の机に頬杖をついて、はあ…と溜め息を吐くと、


「相良先輩にはもう言ったの?」


そう聞いてきた。



相良先輩。


三浦先輩と仲が良くて、三浦先輩の事が好きだった私に色々と情報を流して協力してくれていた女の先輩。


ちょっと男勝りな彼女に後押しされたからこそ、私は昨日三浦先輩に告白したのだ。


なんだけど、ハッキリ言ってスッカリ忘れていた。



「うー、まだ」


「そっか。言いにくかったら私から相良先輩に言っておこうか?」



夕香は私が相良先輩に三浦先輩に振られた事を言いにくくて言ってないのだと思ったのだろう。


相良先輩の事じたいを忘れてたなんて、……もう言えない。


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