恋のお相手は小さな男の子
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暗くなった道をゆっくりとお腹を擦りながら歩く。
夕香と一緒に行ったケーキバイキングは、そりゃもう美味しくて、美味しくて、手が止まらなかった。
だから、お腹がはちきれそうだ。
「幸せ~、満腹~」
そう独り言を言っていると、ふと視界に昨日の公園が目に入った。
家に帰るまでの通り道にあるこの公園。
今日は、……あの少年は居ない。
まっ、当たり前か。
暗い時間にしょっちゅう家から出る小学生なんて居ないよね。
つい彼を探してしまった自分が可笑しくて、思わずふふっと笑い声が漏れる。
「今日もちょっとだけ寄っていこうかな」
そう口にすると、公園の入り口へと歩を進めていく。
公園に入ると、ブランコへ向かって進み、昨日と同じ様に腰を下ろした。
そして、空を仰ぐ。
暗い空にキラキラと輝く星。
もう少ししたら、もっとハッキリ星が見えるんだろう。冬の大三角形だって直ぐに見付けられる程に。