恋のお相手は小さな男の子



「だはぁぁぁあ!!」



驚きから目を見開いて妙な叫び声を上げる私。


それに対してまたしても彼は、「あー、うっせぇ」と耳を押さえる始末。



「な、ななな何してんの!」



いきなりの登場に動揺し過ぎてかみまくる私をしらけて見ている少年は、小さい筈なのに大人に見える。


そしてニヤッと意地悪に笑うと、口を開いた。



「28点のテスト見てんの」


「嫌ー!点数言わないで!」



自分でも酷いと思った点数、バッチリ見られてるし!



「ってそういう事じゃなくて、何で居るのかって聞いてるの!」


「葉月はいつもうっせぇのな」


「葉月お姉さんじゃっ!で、何で!?」


「何でって、家、そこだし」



少年が指差すのは、昨日のマンション。


でも、私はそんな事を聞いてるんじゃない。



「いや、そうたけども。時間!遅いよ!」



今はもう、夜の9時を過ぎている。


私はお腹がいっぱい過ぎて、ダラダラと歩いていたせいだけど。



「あー、時間ね」


「そう。時間だよ!」



私の言っている事に納得したらしい少年。


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