恋のお相手は小さな男の子
三浦先輩に振られたっていう報告の電話はちゃんと昨日した。
『なーにー!ちょ、ちょ、ちょ、また後で!』
と言われただけで一方的に切れてしまった電話だったけど。
何でか分からないけど、…もしかして、……あれが悪かった?
そう思ってビクビクしていると、立っていた相良先輩がおもむろに床に膝をついた。
「葉月っち。ごめん!!」
その言葉と共に、床に頭がつくんじゃないかと思う程頭を下げる。
これは!
……まさか俗に言う土下座!
「ど、どどど土下座!!何、何、何?何してんですか!?」
吃りまくる私の横で、夕香も目を見開いて相良先輩を見つめている。
しかし相良先輩は周りからの視線も気にならず、私の声も届いていないらしい。
そして少しだけ顔を上げ私と目を合わすと、申し訳なさそうな顔をして話を続ける。
「葉月っちが両思いだと勘違いして三浦に告白したのは、ぜーんぶ私のせいだ!ごめん!」
「…………」
凄く謝ってくれる相良先輩。
でも言葉が出ない。