恋のお相手は小さな男の子
「みんな帰っちゃったけど、帰らなくて良いの?」
突然声を掛けられた事に驚いたのか、不思議そうに私をみると首を傾げる男の子。
そしてごもっともな言葉が投げ掛けられる。
「お姉ちゃん、誰?」
そりゃあ、そうなるよね。
うん。今の時代、知らない人が話し掛けてきたら危険だからね。
ん?……って事はもしや、私もこの男の子の中では危険人物!?
「この公園の前をよく通るお姉さんだよ。葉月っていうの!」
そう言いながら、私は怪しい者じゃないのよアピールでニコッと微笑んでみる。
と、男の子は純粋なのか、私へとニコッと笑い返してくれた。
「葉月お姉ちゃん?」
そう聞いてくる男の子は、私の中の小学生像そのもの。
もう、この子可愛い!
「うん。葉月お姉ちゃん。それで、君は帰らなくて良いの?」
「うん。僕はもう少ししたらお兄ちゃんが迎えに来てくれるんだ!」
「そっか。お兄ちゃんが来てくれるのか」
お兄ちゃんを待っているから、この公園に残ってたのか。