恋のお相手は小さな男の子



お兄ちゃんが大好きなのか、キラキラと目を輝かせてそう言う姿は、思わず抱き締めたくなっちゃうくらいだ。



「僕のお兄ちゃんは凄く格好いいんだよ!僕もお兄ちゃんみたいになりたいんだ!」


「君ならきっとなれるよ!」


「えへへ。ありがとう」



照れ臭そうにはにかんで笑う男の子。


こんな可愛くて純粋な男の子はきっと素敵な人になれると思う。


それにしても、この子のお兄さんはきっと素敵な人なんだろうな。


弟にここまで憧れられるお兄さんか……。



そう思っていた時、後ろから目の前の男の子の名前を呼ぶ声が響いた。



「和真(カズマ)!」


「あっ、お兄ちゃん!」



大好きなお兄ちゃんに向かって走っていく男の子を目で追う。


と同時に、


「うおぉぉぉっ!!」


目を見開き叫んでしまった。


キョトンとした顔で私を見てくる二人。


一人はさっきまで目の前にいた男の子の和真君だ。


そして、もう一人はこないだから遭遇回数が半端ない佑真君だ。


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