恋のお相手は小さな男の子
「ビビらすなよな。馬鹿葉月」
「うっさい!」
佑真君のごもっともな突っ込みにそう言い返して、プイッとそっぽを向く。
馬鹿葉月は許せないけど、和真君をビビらせたのは私なのだから、それ以上何も言えないっていう現状だ。
ただ和真君がビックリしたのも一瞬だった様で、直ぐにニコニコしながら話し掛けてくれる。
「笑ったら凄くそっくりだよ。うさぎに」
笑った顔がうさぎにそっくりで可愛いなんて!
嬉しい!!
「ありがと~。和真君!」
そう頬を緩ませていると、
「うさぎねぇ」
と馬鹿にした口調で呟く佑真君。
「何か?」
ギロッと睨み付ければ、「別に」とそっぽを向く。
そんな佑真君の行動も見えていないのか、夢中で話す和真君は本当に可愛い。
連れて帰りたーい!
そう思った時、天使の様な和真君の口から爆弾が放たれた。
「あのね。口から見える二本の大きな歯がそっくりなんだ!」
ん?
……何ですと?
「ぶっ……。前歯」
静止してしまった私の前で思い切り吹き出す佑真君。