恋のお相手は小さな男の子
少年の手は温かいです
9月に入って暫く経つのにまだまだ蒸し暑い日が続く。
これも温暖化のせいなのかもしれない。
そう思いながらリビングのソファでごろごろする。
これが私の休日の過ごし方だ。
「葉月。昼間からテレビ見ながらごろごろしないで!」
掃除機を持ったお母さんが私へ掛けるこの言葉もいつもの休日。
そして、それに「えー」と答えるのも同じ。
毎回変わらないこのやり取りだったのだが、
「えー。じゃないの!そんなだらしない事してると幸せが逃げるわよ!」
お母さんのその言葉で思わず身体が固まった。
幸せが逃げる……か。
そんなのもう……
「もう逃げたし……」
そうポツリと呟いた私の声はお母さんには届いていない。
「ほら、お母さん掃除するから!」
「はーい」
掃除機のプラグをコンセントに差し込むお母さんの横をすり抜けて、2階の自分の部屋へと向かう。