恋のお相手は小さな男の子



自分の部屋に入っても、頭の中をぐるぐると回っているのはお母さんのさっきの言葉だ。



「幸せって……、そんなのごろごろしてなかったからって見付けられるものでもないし」



そう言いながらも、洋服ダンスから出掛ける様の服を漁る。



別に外に出たからって素敵な出会いがあるなんて、少しも思ってないし。


今日偶然会った人に、また出会って恋に落ちるなんて夢見てないし。


ただ、そうただ何となく!


外に行こうと思っただけだから!



そう自分に言い聞かせると、軽く化粧をしていく。


数分で出来上がったお出掛けスタイルの私。


そのまま鞄を手に取ると、パタパタと階段を駆け下りて家を出る。


目的地も何も決めていない外出。



まあ、外に出たんだから、ウインドーショッピングでもしますか。



そう思うと直ぐにファッションビルが建ち並ぶ駅前へ歩を進めた。


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