恋のお相手は小さな男の子
「心配してくれてたの!?」
「心配してわりぃかよ!俺みたいなチビが彼氏何てのも嫌かと思って、俺の兄ちゃんがって言ったのも。葉月を強引に連れだしたのも。必要無かったって事かよ」
「あー、それでお兄ちゃんか!」
何で佑真君が私の事を自分のお兄ちゃんの彼女って言った理由が分かった。
私が振られた相手と一緒に居るのを心配して。
でも、私が小学生の自分の彼女だなんて言ったら、三浦先輩に馬鹿にされると思って。
佑真君、……小学生のくせに、……ムカつく位考え過ぎ。
佑真君が掴んでいた私の腕をパッと離す。
そしてクルッと私に背を向けると、
「邪魔したな」
そう言って歩いて行こうとする佑真君。
そんな佑真君の腕を今度は私がガシッと掴んだ。
「あっ、待って!待って!佑真君!」
「何だよ?」
不機嫌そうな顔をするくせに、足を止めて振り返ってくれる。
何だかんだで、口は悪いのに優しい人。
佑真君って、……そんな人だ。