恋のお相手は小さな男の子
この言葉を素直に喜べないのは、きっと三浦先輩のせいだと思う。
いや、別に良いんだけどさ。
こんな心境の変化が起こってたなんて今気付いたし。
そういえば、佑真君は私の名前を聞いた時に可愛いなんて言わなかったな。
……って、佑真君の事は今は関係ないから!
頭の中から佑真君を追い出す様にぶんぶんと頭を横に振ると、畑野さんへと顔を向ける。
未だにニコニコしたままの畑野さん。
よくよく見れば、畑野さんはどことなく三浦先輩に似ている気がする。ふわっとした雰囲気とかも。
だから、佑真君は私の好みだって言ったんだ。
佑真君の言ってる事は間違ってない。
確かに畑野さんの外見は私の好みど真ん中だし、性格はこの間まで好きだった人に似ている。
佑真君の勘ってほんと鋭い。
鋭いけど、……何かムカつく。
佑真君に好みの人を言い当てられた事が何だか嫌。
佑真君が三浦先輩に似ている畑野さんを私に進めてきたのが何だか嫌。
佑真君が……。
佑真君が、……居なくなったこの空間が少し寂しい。