恋のお相手は小さな男の子



結局頭を振ったって、私の頭の中を占めるのは佑真君の事ばかり。



別に佑真君の事なんて、……気にしてないし。



そんな風に自分に言い聞かせてみた所で頭に浮かぶ佑真君の顔は消えてくれない。



「はぁ……」


「葉月ちゃん、疲れてる?」


「あっ、いえいえ。全然元気です!」



思わず溜め息を吐いてしまった私を気遣ってくれる畑野さんの大人の対応に、胸がキリキリするのはきっと気のせいだ。


そう。きっと……気のせい。



その後、畑野さんとそれなりに弾む会話により一人浮いていた現象が治まり。


そしてお互いにライン登録をして、合コンがお開きになるというスムーズな流れ。


だったのだが、



……あんまり楽しくなかった。



そう思ってしまう自分が何だか嫌な奴に思えてくる。



あー、これも何もかも、


……きっと、佑真君が私にタックルした時に聞こえた呟きのせいなんだから。



『葉月なら大丈夫』



たったそれだけ。


だけど、あの場でのその言葉は凄い力があって。


その言葉がずっと頭の中を回ってるから、佑真君の事ばっかり考えちゃうんだ。


……きっと…そう。


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