恋のお相手は小さな男の子
ブランコへと腰を下ろすと、夕日の赤に照らされた地面が目に入る。
砂がキラキラと赤く輝いている様に見えるその様はどこか幻想的で目を奪われる。
「佑真君、……来ないかな」
地面へ目を向けたまま、そうポツリと呟いた瞬間、
「何か俺に用でもあったのかよ?馬鹿葉月」
後ろから聞こえてくる憎たらしい台詞。
クルッと後ろを振り向けば、ニヤッと笑う佑真君が居る。
「今日、塾は?」
「今日は1教科だけ。だから、終わり」
「そっか。じゃあ、今日はゆっくり出来るね」
佑真君に会えて思わず頬が緩む。
佑真君の顔が見れて、佑真君の声が聞こえる。
それだけで胸がキュッとする。
「おう。……で、俺への用は?」
後ろからグイッとブランコに座っている私の顔を覗き込む様にして、そう言いながら首を傾げる佑真君。
顔、近っ!!
一気に加速する鼓動と、熱くなる顔。