恋のお相手は小さな男の子
慌ててそれを誤魔化す為に言葉を紡ぐ。
「あっ、あのね!ゆ、佑真君のお陰でっていうのもどうかと思うんだけど、い、一応合コンのお礼をしようと思ってて!しようと思ったのさ!」
何だか私、……思い切り空回ってる気がする。
「上手くいったの?」
「い、一応…ね」
「ふーん」
噛みまくっていたのに、その事には全く触れずにスッと私から顔を離して相槌を打つ佑真君の声は、何だか不機嫌そう。
数秒、佑真君の顔をじっと見ていたが、さっき口にしたお礼なる物を持ってきた事を思い出すと、鞄へと手を突っ込んだ。
「あっ、…だからこれ!」
鞄から取り出した青い袋で包装したプレゼントを佑真君へと差し出す。
と、恐る恐るそれを受け取った佑真君が首を傾げた。
「何これ?」
「一応、ほんとに一応お礼のつもり」
へらっと笑うと、佑真君の頬が少しだけ赤く染まる。
そして、
「開けていい?」
そっとそう聞いてきた。