恋のお相手は小さな男の子
「これ、……ゾウ?」
袋から出した物を見て、佑真君が首を傾げた。
佑真君の手の中には小ぶりの象が鎮座している。
「うん。私の手作りゾウの貯金箱でーす!」
「手作り!?」
目を見開いて驚く佑真君は私の予想通りだ。
驚くと思っていたから、ニヤニヤが止まらない。
「め、めちゃくちゃリアル」
佑真君がボソッとそう呟く。
そう。佑真君が言うように紙粘土で私が作った象の貯金箱は、細部までリアル感にこだわったものだ。
女の子っぽいファンシーなキャラみたいなゾウじゃなくて、動物フィギュアの様なリアルなもの。
「うん。私、こういうの作るの好きなんだよね」
好きこそ物の上手なれ。とはよく言ったもので、作れば作るほどリアルに作れる様になった。
強いていうなら、これが私の特技なのかもしれない。