裸足のプリンセス




『え…?』


悠里「急に言われても困るよね。

わかってる。

それでも伝えたかったんだ。」




急な発言に驚いた私は

少し放心状態になる。



『あ、あの…』


悠里「シーッ 返事はいらないよ?」


私の唇に人差し指をあて、

ウィンクする悠里様。


悠里「じゃあ僕は行くね?

蓮翔にはここに来るよう伝えるから」



と言って去ろうとする悠里様。


テラスを出る前に言わなきゃ…!!



『あの…!!

ごめんなさい!

私、悠里様の気持ちには

お応えすることができません!』



悠里「知ってるよ」


と、悲しげに微笑む。



悠里「あーもう、だから

返事はいらないって言ったのに」



と言いながら近づいてくる。



そして、私の前髪をあげ、



チュッ



突然のことに私はまた放心状態に。



『なっ…///』



おでこにキスされたのだ。



力が抜け、

へなへなと膝から崩れていく。



そしておでこを抑えながら

『な、なにするんですかー!』

と叫ぶ。




悠里「けじめってやつ?笑

大丈夫。時間はかかるかもしれないけど

ちゃんと諦めるから。




普通に接してくれないかな?」



そう切なく告げる彼に

私はもう何も言えなかった。



悠里「友達になろう。美雪ちゃん」


声を出す代わりに頷く。


するとニコッと微笑み


悠里「悠里って呼んでね!」


と言いながらテラスを去っていった。

< 87 / 128 >

この作品をシェア

pagetop