裸足のプリンセス
私は立ち上がることができなかった。
昨日出会ったばかりなのに
好きと言われた私。
好かれるようなことは
何もしていなかった。
…よね?
「恋をするのに時間はいらない」
『え…?』
「そうだろ?お姫様」
微笑みながら
手を差し伸べてくれるのは
『蓮翔くん…!!』
私はその手を取り、立ち上がる。
蓮翔「美雪、混乱してる最中悪いが、
俺もお前が好きだ。」
『………えぇぇぇぇ?!』
蓮翔「小さい頃からお前が好きだった。
これが俺の初恋だ。
でもな、もう終止符を打つよ」
悲しげに微笑む。
私の胸はまたチクリと傷んだ。
蓮翔「キッパリと振ってくれ。」
『……ごめんなさい。
私…
蓮翔くんを男の人に見たことなくて…』
蓮翔「女に見えてたのか……」
と、目をうるうるさせる彼。
『ち、違うよ?!?!
男の人ってよりも、
なんていうんだろ…
お兄ちゃん…?』
蓮翔「お、おぉ…そうか…」
よかった…つぶやきながら
安心した笑みを見せる。
『でも…気持ちは嬉しかった…です
ありがとう…!!』
と微笑む。