涙色のバレンタイン。
授業が終わると、必ず大雅クンが来てくれる。
放課後になればキミが迎えに来る。
「菊、帰ろうぜ」
「うんっ」
あんなにも遠かったはずの、キミがこんなにも近い―…。
帰り道を歩く。周りの女子はただ見つめるだけ。
(……独占したいとか言ったのに、凄く複雑な気持ちになる…)
「なぁ。俺が予行練習やってる理由知らないだろ?」
「ん?」
大雅クンの言葉の意味が分からなくて、彼を見つめたら。