涙色のバレンタイン。





小さく頷くと、言われた通りに言う。





「振ってください…」



すると大雅クンの声が聞こえた。



「無理、俺だって好きだから。


だからちゃんと付き合おう。





練習じゃなくて、本当の恋人同士になろう」







あの時、言って欲しかった言葉だった。


あたしの瞳から大粒の涙が零れていく。







「返事は?」





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