クリアスカイ

何回ほどコールされただろうか、しかしそれは途切れる気配がなく、ひたすらに繰り返される。
修二は携帯を閉じた。
あまり立て続けにかけるのもどうかと思い、また後でかけてみようと思った。
とりあえず夕飯の調達にコンビニへ行く事にしてマンションをでた。

コンビニで適当に食べ物をカゴに突っ込みさっさとレジへ向かう。あれやこれやと悩んだところで結局はコンビニの味だと修二は思っている。旨さを追求したいのならコンビニなんて邪道だと。
会計を済ませ、店員が袋づめをしているときに携帯が鳴った。
ディスプレイをみると、『須藤』と表示されていた。目の前で店員が袋を手渡すべく待っているのにきづいて、修二はうけとると歩き出しながら携帯を開いた。
「須藤？」
「よぉ。…久しぶり。」
特徴的な低いトーンの声に須藤だと確信した。
「生きてた？」
「生きてるよ。」
暫くオウム返しのようなやりとりが続いた。
修二はマンション前まで来るとエントランス横の植え込みの脇に腰を下ろした。コンビニの袋がガサガサと音をたてる。
「なに、今外なの？俺、折り返すタイミング間違えた？」
須藤は修二の様子を察して言う。修二は「別に平気。」と言うと、本題をきりだした。
「あのさ、今週の金曜ってあいてる？」
「金曜？えらく急だな。」
最もな反応だった。
「いや、アツシからさ四人で会わないかって連絡来たんだよ。」
「四人て後一人は？」
「つー君だってよ。何かこっち戻ってきたらしくてアツシとバッタリみたいなね。」
なるほどね。と須藤は笑った。3年ぶりとはいえ須藤もアツシの性格を十分知っていた。今回の誘いが急な理由もわかったらしかった。