クリアスカイ
「あ〜…、まぁ、それなりにやってるよ。」
妙に歯切れの悪い口調に修二は思わず顔をあげた。
「何、また何かあった?」
「いや、別に。少しシフト減らしただけ。」
アツシは冷めてしまった唐揚げを箸でつつきながら言う。
「そんなんで生活できんの?」
「ま、一応ね。」
アツシはそれだけ言うと、「つー君、遅くね?」と出入口を振り返った。
なんとなく話をはぐらかされたような違和感を感じたが、基本的にマイペースなアツシの言動をいちいち気にしていたらキリがない、と修二は思った。
おもしろくないと感じているのは間違いなさそうだから、次会う頃は辞めている可能性も否定できない。
多少、気にはなるものの修二はそれ以上聞くのをやめた。詮索や干渉される不愉快さを知っていたからだ。アツシが聞いてほしいのならいくらだって聞くつもりではいる。
だが、相手がそれを望まないのならその先は触れないでいるべきだと思った。


少し経つと、つー君がもどってきてまたくだらない話で盛り上がった。
途中、須藤からも電話が入りそれぞれと話をしていた。つー君に次週の参加を熱望され、考えとくよと須藤らしい返事で電話を切った。
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