クリアスカイ
「だからさぁ、俺ソッコー文句言いに行ったんだよ。」
アツシが声を張り上げ、喋り続けている。
修二の予想どおり、あのあと程なくしてアツシはやってきた。そして、バイト先であったらしい愚痴を延々と語りだしたのだ。かれこれ30分、修二は相槌を打っていた。
さすがにうんざりしてきて、煙草に火をつけると立ち上がり部屋の窓を全開にした。
アツシもようやく一息入れる気になったのか、持参したペットボトルを開け、
「今日はいい天気だなぁ。」
と呑気にどうでもいい事を言う。
修二は灰皿の吸い殻をゴミ箱にあけると、
「そんな休みの朝から何でお前と過ごさなきゃなんねんだよ…」
と煙を吐く。
アツシは「どーせ暇なくせに…」とケラケラ笑って、キッチンへ行くとためらいなく冷蔵庫をあけ缶ビールのプルタブをひいた。
「これ、もらってい?」
「もう開けてじゃん…」 修二はやれやれといった表情で朝から酒をあおるアツシを眺めていた。
こんな状態でも修二が怒りきれないのには訳がある。アツシとは昔からの友達で、何か特別な用事がなくてもしょっちゅう顔をあわせていた。といっても、めんどくさがり屋の修二から呼びつけることは滅多になく、大抵アツシの方から連絡がくるのだ。そして今日のように突然乱入されることも珍しくなく、最初の頃は頭にきて追い返した時もあったが最近ではなんだかんだで迎え入れてしまう。
習慣というか慣れとは恐ろしいものだ。アツシ相手にもてなす訳ではないので何の労力もいらないのだが、精神的に疲れることはいなめない。
そんなアツシは通い慣れた人の部屋にすっかり馴染み、まるでここの住人のように過ごしている。冷蔵庫も物色するし風呂も自由に使う。図々しいのは元々だから今更驚きはしないが、外に出て他人様に同じような迷惑をかけているのではと修二の方が余計な心配をしてしまう。
まあ、大体の人はアツシの脳天気な笑顔になんとなくほだされて、許してしまうと思うが…。そして修二もまたそのうちの一人なのだ。
アツシが声を張り上げ、喋り続けている。
修二の予想どおり、あのあと程なくしてアツシはやってきた。そして、バイト先であったらしい愚痴を延々と語りだしたのだ。かれこれ30分、修二は相槌を打っていた。
さすがにうんざりしてきて、煙草に火をつけると立ち上がり部屋の窓を全開にした。
アツシもようやく一息入れる気になったのか、持参したペットボトルを開け、
「今日はいい天気だなぁ。」
と呑気にどうでもいい事を言う。
修二は灰皿の吸い殻をゴミ箱にあけると、
「そんな休みの朝から何でお前と過ごさなきゃなんねんだよ…」
と煙を吐く。
アツシは「どーせ暇なくせに…」とケラケラ笑って、キッチンへ行くとためらいなく冷蔵庫をあけ缶ビールのプルタブをひいた。
「これ、もらってい?」
「もう開けてじゃん…」 修二はやれやれといった表情で朝から酒をあおるアツシを眺めていた。
こんな状態でも修二が怒りきれないのには訳がある。アツシとは昔からの友達で、何か特別な用事がなくてもしょっちゅう顔をあわせていた。といっても、めんどくさがり屋の修二から呼びつけることは滅多になく、大抵アツシの方から連絡がくるのだ。そして今日のように突然乱入されることも珍しくなく、最初の頃は頭にきて追い返した時もあったが最近ではなんだかんだで迎え入れてしまう。
習慣というか慣れとは恐ろしいものだ。アツシ相手にもてなす訳ではないので何の労力もいらないのだが、精神的に疲れることはいなめない。
そんなアツシは通い慣れた人の部屋にすっかり馴染み、まるでここの住人のように過ごしている。冷蔵庫も物色するし風呂も自由に使う。図々しいのは元々だから今更驚きはしないが、外に出て他人様に同じような迷惑をかけているのではと修二の方が余計な心配をしてしまう。
まあ、大体の人はアツシの脳天気な笑顔になんとなくほだされて、許してしまうと思うが…。そして修二もまたそのうちの一人なのだ。