クリアスカイ
須藤はソファーの脇に落ちてた雑誌を拾いあげるとパラパラと眺めていた。
そして
「あ、そうだ。」
と声を漏らし修二に振り返った。
「修二って今彼女いる?」
「何だよ、急に。いたら毎週飲みになんて行くかよ。」
「そうだよな。」
須藤が頷く。修二は訳がわからないといった顔をした。
「なんなんだよ。」
「あぁ、何か奥さんの友達がお前の事、紹介してほしいらしい。」
「はぁ?」
修二は思わず聞き返した。須藤は携帯を取り出すと何やら操作をして、「これだよ。」と一枚の画像を目の前につきだした。
それは前回の飲み会の時にふざけて撮った写メだった。来れない須藤に送ってやろうと三人でとったのだ。「あの日奥さんの友達が来てて、ちょーどコレ来た時いたんだよ。で、お前らに会った事ないから、説明がてら見せたらそうなった。」
須藤は携帯をしまうと、
「一度会ってみろよ、いい奴だから。」

修二は急な展開に驚きつつも、あまり気がのらなかった。
須藤がそれを見逃すはずもなく
「めんどくせーんだろ。」
と笑い出す。
「わかってんじゃん。今さ、彼女とか作りたくねんだよ。自由に動きたいし。」
修二は本音を隠さずいった。須藤は「あっそ。」とだけ言うと、
「ま、その気になったら言えよ。」
とつけ加えた。
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