クリアスカイ
人の心は端から見れば、何の曇りもないように見えて気づかずに通りすぎてしまうことがある。
自分ばかりが苦しい環境におかれている気がして、周りの人間は皆幸せそうに見える。
けれど、他人の心の裏側に触れると知らなくてもいい感情を覚えたり、傷つく時さえあるのだ。
それでも人は一人では生きられない。
―誰かにわかってもらいたい。
―認めてもらいたい。
―必要とされたい。
優しさに触れてしまったら、もう元には戻れない。
人は皆、寂しがり屋で孤独を嫌う。
修二は自分の中の感情の変化を素直に認めていた。
周りと深く関わるのは面倒だと思っていた頃とは明らかに違う不思議な感情が湧いてきていた。
もてあましてきたその心は、今は温かな強さで修二を支配している。
安らぎにも似た深い眠りが修二を包んでいった。