クリアスカイ
「修二さ、『つー君』て覚えてる?」
「つー君?高校ん時の?」
「そうそう。司くん。1コ上の。」
つー君こと司は高校時代の同級生だ。正確にいうとダブりの為、年は1つ上だった。気さくで優しい少年だったが少々気が短いのがたまにキズで、あの頃の喧嘩といったら8割がつー君がらみだった。
卒業してからつー君は県外に出たと聞いていた。
何年ぶりかの懐かしい響きだったが、修二は手をとめた。
「で?何で今頃つー君?」
「実はさぁ。」
アツシは食べ終わったゴミを丸めながら
「こないだバイト行く途中、駅前でバッタリ会ったんだよ。」
「マジで?」
「うん、マジで。こっちに帰ってきたんだってよ。いきなり声かけられて、一瞬わかんなかったケドよくよく見たらつー君じゃん。」アツシは感動の再会だったなぁと呟く。
「つー君、相変わらず?」
「あー、もう、そりゃ。あの頃のまんま!俺バイト前であんま話せなかったからさ、とりあえず連絡先だけ交換してさ。」
「ふ〜ん。そっか、帰ってきたんだ。」
修二は煙草に火をつけアツシの話を聞いていた。
「あ、今度みんなで会おうってさ、つー君が。」
「みんな?」
「そう。須藤とかも呼んで。」
「また懐かしい奴だしてきたな。」
須藤も高校時代の仲間うちの一人だった。かなり頭のきれる男前な奴で、去年街で偶然でくわした時に「もうすぐ結婚するかも」なんて聞いたのを思い出した。
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