セカンド☆ライフ
『会いたかった?光栄だねぇ♪』

『俺、あんたには感謝してますよ、なんだかんだであんたがいなきゃ今こうして詩乃と一緒にいられなかっただろうし』

『どうしたんだい?怖い顔して?』

『もうやめましょうよ…いい人のふり…』

『バレちゃってる?』

『それも計算のうち…でしょ?』

『僕の計算より少しだけ賢いね唯里君』

『なんのために?』

『どれの…ことだい?』

『全部ですよ…』

『餌が喰われる理由を知る必要はないよ』

『なるほど…一理ありますね』

『可愛くないなぁ、挑発のつもりなんだけどなぁ♪』

『ハラワタ煮えくり返ってますよ』

『良かった♪』

『詩乃…』

『うん…バインド!』

パンッ!
純流の周りで空気が破裂するような音がした。

『きかない!?』

『驚いた…環のタレントじゃないか』

『バァさんを知ってんのか!?』

『まぁね、古い付き合いさ♪だから環のタレントは研究済み、きかないよ♪』

『なるほど…』

『君達は本当におもしろいね、正直、僕の計算よりも遥かに成長してる…素直に賞賛するよ』

『嬉しかねぇよ…』

『ご褒美に良い事を教えてあけよう♪』

『良い事?』

『横峯さんを殺した男ね…死んだよ』

『え?』

『探せばその辺に浮いてるんじゃないかな♪』

『なんであんたがそんなこと知ってんだ』

『内緒♪』

『こいつ…』

『怖い怖い♪怖いから今日はこのへんで失礼するよ』

『逃がすかよ!詩乃!』

『パミット!ゆいりくんが純流さんに触れることを許可します!』

『またね♪』

純流に掴みかかった俺の腕が空中で虚しく交差する。
逃げられたようだ。

『クソッ!』

『…ごめんなさい…』

『いや、詩乃のせいじゃないよ』

どこかでまだ純流を信じたいと思う俺がいた。
しかし、今夜それは叶わぬものとなった。
純流が俺達の敵だということが確定した。

『ゆ…ゆいりくん…』

『ん?』

『ノイズ…出てる…』

『え?』

俺の体から、薄っすらとではあるが、黒い靄が滲み出ていた…
< 51 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop