セカンド☆ライフ
『ノイズがない!?』

『そんな…どうして!?』

俺と詩乃はノイズを確認するために森の中へと来ていた。
そこにあるはずのノイズはどこにも見当たらなかった。

『自然消滅…とか?』

『どうかな…環のバァさんに聞いてみるか』

俺達は遺族会本部へと移動した。

『バァさんいるか?』

『なんじゃ小僧?事件は解決したか?』

『そっちはまだなんだけどさ、ちょっと聞きたいことがあるんだ』

『なんじゃ?』

『ホルダーって最期はどうなんの?』

『ノイズに飲まれてゼロになる』

『その時ノイズはどうなる?』

『基本的には本体共々消滅する』

『基本的にってことは例外もあるんだな?』

『うむ、近くに次の宿主となる器があればそちらに移る、と言っても宿主を失ったノイズが存在しておれるのは精々数秒、大抵は消滅じゃな』

『数秒?じゃ詩乃のノイズが何日も残留してたのはなんでだ?』

『ノイズが消滅するのは宿主がノイズを発散するからじゃ、詩乃のノイズは発散されることなく、濃度を保ったまま無理やり切り離されたからのぉ』

『なるほど…なぁ、バァさんの見立てだとあのノイズが自然消滅するのにどれくらいの時間がかかると思う?』

『なんせ前列がないからのぉ…濃度が薄くなれば消えるじゃろうが、それを調査しておった者達がことごとく失踪じゃ』

『なるほどね』

『なんにせよ今日明日どうにかなる事はないじゃろな』

『そうか…』

『それがどうした?』

『あのノイズがなくなってた』

『なんじゃと!?』

『私が修行してもらった森に移動させてたんですけど…』

『あそこか…まぁあそこなら誰も近寄らんじゃろうからな』

『でもなくなってた』

『ふむ…』

『まぁまだあのノイズと失踪事件の関連性は確認できてないし、俺達は事件のほうに集中するよ』

『うむ、ノイズについては儂も追ってみよう』

『わかった、進展があったら報告する、またな』

『失礼します環さん』

『詩乃』

『はい?』

『ノイズをバインドとは…大したものじゃ』

『あれはゆいりくんのサポートがあったからで…』

『ふふん、お主ら、良いカップルじゃな』

『あ…あり…ありがとうございます!』

『ではまたの』

『はい!また』
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