セカンド☆ライフ
《皆様現在どちらに?》

花子からのトーク。

《今はみんな捜査本部にいるよ》

《了解、すぐに向かいます》

トークが終わるやいなや、寝ていた花子さんの本体がガバッと起き上がった。

『なにか進展ありました?』

「黒板に整理します」

『あ、お願いします』

花子が持ってきた情報はこうだ。
1、特になし

『えぇぇぇぇ!?』

『それ書く必要あんの!?』

『口頭でええがな!』

「雰囲気、大事だってばよ」

『ん?特になし?』

「気づきましたか水辺様」

『変ですね』

「はい」

『??どういうこっちゃ?』

『つまり、失踪する以前から情報がないってことですよね?』

「その通りです、誰も彼らの失踪前の行動を知りませんでした」

『ん?でも失踪場所は特定されてるんですよね?』

「いえ、厳密には…定時連絡が最後に発信された場所、でござるよ」

『失踪したんは別の場所の可能性もあるっちゅうわけか』

『そうなるとノイズとの直接の関連性がさらに薄くなるな』

『調べれば調べるほどわけわからんくなりよるなぁ!』

『これからの方向性を決めるためにも、皆の意見を出し合おう』

『全員がホルダーで、ゼロになってしもた可能性は?』

「他の方はともかく、佐和田様に限ればそれはありません」

『根拠は?』

「佐和田様はご自身のノイズと共生しておられます、飲み込まれることはありません」

『ノイズと共生!?んなアホなことがあるかいや!』

「事実です」

『オッサンとリンクした時に静かだったのはそういうわけか』

「恐らく」

『ほんなら花子ちゃんの予想は?』

「現時点では第三者の介入の可能性が高いと思われます」

『なんでや?』

『佐和田さんの存在ですね?』

「はい」

『さっきから誰やねんその佐和田って』

「遺族会幹部、自ら失踪するような方ではありません」

『その点は俺も同意だな、あのオッサンはそんな人じゃない』

『ほな第三者が絡んでるとして、疑わしいのは誰や?』

「遺族会、自警団の双方から失踪者が出ている以上、両組織間のいざこざが原因とは思えません」

『身内は白っちゅうことか?』

『そうとも限らないよ』

「原因が両組織間の因縁ではない、というだけです」

『なるほどな、犯人の意図が別にあるかもっちゅうこっちゃな』

『そうだね、そのほうが辻褄は合う、いざこざが原因の潰し合いなら手口が同じなことが不自然になる』

『遺族会のホルダーを証拠も残さず消せるヤツは自警団にはおらんやろな…にしても…第三者がおったにしても、目撃者がおらんことにはどうにもならんなぁ』

『そうなんだよなぁ…』

『あのぉ…』

『どした詩乃ちゃん?腹でも痛いんか?』

『本屋の防犯カメラとかは?』

『いやセカンドは映んないし…』

『え?犯人はセカンドなの?』

『…!?』

俺と虎彦と花子さんは顔を見合わせた。

『詩乃グッジョブ!』

『え?え?』
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