セカンド☆ライフ
『さてどうやってここから出たもんかな』

『リンク…じゃないもんね…』

『うん、外に出るイメージをしてみたんだけど…なんか壁みたいなのがあるんだよね』

『壁?』

『そそ、出られねぇの』

『…あ』

『ん?』

『喰べられちゃったのかも…』

『は?』

『純流さんに…』

『純…流!?』

『うん…私が失敗したら喰べるって言ってたから…』

『?まぁ詳しくは後で聞くとして…もし喰われたんならここは純流のノイズの中ってことかな?』

『わかんないけど…そうかも…』

『ふむ、だったら…』

ゆいりくんからノイズが溢れました。

『え?ゆいりくん!?』

『あ、大丈夫』

ノイズが薄い膜のようにゆいりくんを包みました。

『ゆいりくん!?』

『さっきノイズを取り込んだ』

『はい!?なにそれ!?』

『いや、またノイズだけ捨てたら面倒だなって思ってさ』

『面倒って!そんな理由でそんなことできるの!?』

『佐和田のオッサンがノイズと共生してるって話を思い出してさ、俺にもできるかな?って』

『へ…へぇ…』

ゆいりくんの話は私の理解を超えていたので考えないことにしました。

『ノイズが物理的なもんだってのは防犯カメラの一件でわかった、だったら同じノイズをぶつければ壊せるはず…』

『そう…なのかな…』

『だめだったら他の方法を考えればいい』

『う…うん…』

『せぇの!』

ゆいりくんは目の前の空間を思いっきり殴りました。
何もない空間にまるでガラスのようにピシピシとヒビが入りました。

『おぉ、成功っぽい!』

『う…うん…』

もう何がなんだかわかりません。

『あ』

ヒビ割れた部分からものすごい勢いでノイズが溢れ出しました。

『詩乃!』

『ゆいりくん!』

私達ははぐれないように手を繋ぎました。
強く、しっかりと。

『やべぇ…』

『バインド!』

私はゆいりくんと自分をバインドで縛り付けました。
こうすれば離れない。

『ナイス詩乃!』

もう離れたくないもん…
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