セカンド☆ライフ
ドス黒いノイズの奔流が俺達を容赦なく打ち付ける。

『詩乃!大丈夫か!?』

『大丈夫!』

『飲み込まれねぇように自分をしっかり持てよ!』

『大丈夫!ゆいりくんと一緒に帰るまで諦めない!』

『そうだな!一緒に帰ろうな!』

今までに感じたことのない激しい怒り、悲しみ、恨み…
様々な負の感情が俺達を飲み込もうと襲い掛かってくる。

(これが純流のノイズか…)

『…………』

(なんだ?声?純流?)

『そうか…諦めるのは早いか…うん、そうだね、まだ諦めちゃいけないね♪』

(光り…?出口か!?純流!!)

景色が明るくなった。
目の前に純流がいる。

『俺も同感っす!!』

『唯里…君!?』

『狐につままれたみてぇな顔になってますよ?』

『あぁ、正直驚いてるよ…』

『ちゃんと…ゆいりくんを連れて戻りました…よ?』

『そうだね…』

『なんかいろいろお世話になったみたいだけど…それはそれ!詩乃!バインド解除!』

『はい!』

俺は純流に殴りかかった。

『詩乃の心を踏みにじったこと、土下座で詫びさせてやる!!』

ガッ!!
俺の拳は純流に当たる直前で純流のノイズに阻まれた。

『ノイズを纏ってるのか…面白いね』

『どうも…!』

俺の拳と純流のノイズがギリギリとせめぎ合う。

『あんたに聞きたいことがある!』

『なんだい?』

『隣街のホルダー失踪事件…黒幕はあんたの名前を出した…』

『口が軽いねぇ彼は…』

『ずっと疑問だった…あんなに周到に証拠を消してた犯人が…防犯カメラに映るなんてつまらないミスを犯すのは腑に落ちない…』

『それで?』

『誰かが後で糸を引いてたんじゃないかと思っててね…』

『僕を疑ってるのかい?』

『違うのかい?』

『さぁね♪』

『ふざけんな!』

純流はいやらしい薄ら笑いを浮かべた。

『君を喰うのが益々楽しみになったよ』

『喰われてたまっかよ…!』

パンッ!
乾いた音と共に空気が弾け、俺は吹き飛ばされた。

『うぉっ!』

『ゆいりくん!』

『1ヶ月あげよう』

『あぁ!?』

『1ヶ月後、僕は君を喰らいに来る、その時までにもっと強くなれ』

『なんだそりゃ!?』

『強くなってなくても喰らう!その場合は…』

『?』

『君のお姉さんを殺す』

『な…』

『1ヶ月だ、精々頑張ってくれよ唯里君♪』

『待てコラ!なんで姉ちゃんが出てくんだよ!?意味わかんねぇぞテメェ!!』

『言ったろ?餌が知る必要はない、それじゃぁ1ヶ月にまた会おう♪』

『ちょ…待て!!』

純流はいやらしい薄ら笑いを浮かべたまま消えていった。

なんで姉ちゃんが…
関係ねぇだろ…
何考えてんだアイツ…
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