バレンタイン戦線異常アリ
先生とか?
そりゃ確かに上手くは行かないかも。
そんな男やめて身近な人を見つけたらいいのに。
例えば洋介とか。
ちょっと茶髪にしてて軽そうに見えるけど、まあ賢いしそこそこイケメンだし。
うん、お勧めできる。
もし、私と克司が上手く行ったとしたら。
春香と洋介は二人でいることが多くなるし、そしたら恋が始まっちゃったりしないかな。
そしたら、今までどおり四人で仲良くできるし?
凄い名案。
春香のためにも、私は告白がんばろう!
ようやくレジの順番が回ってきて。
会計を済ませた私を、春香は笑顔で待っててくれた。
「ごめんね春香。お待たせ」
「うん。ねぇどんなチョコにするの?」
「うーん。そうだな。“本命”って絶対伝わるようなチョコにしたい」
「私、手作りチョコの本もってるよ?」
「マジ? 見せて見せて」
そうして、春香とチョコレートの相談をしながら帰った。
胸のドキドキはどんどん高まっていく。
バレンタインまで、あと少し。
どうか、上手く出来ますように。