どれだけ苦しくても…
「おはよ、つるちゃん!はぁ…緊張するね、部署どこになると思う?」
「う~ん面接のときはケアハウスがいいって言ったんやけどね…でも希望の部署にいけるとは限らんよって言われた」
「あたしもそれ言われた!あたしはデイかケアハウスって言った。デイは曜日によっては来る人が変わるやん?やけ、いろんな人と関われるけデイがいいって言った!」
「そっか~とりあえず頑張ろっ!」
私たちは家が近く、歩いて30分ほどのところに職場がある。二人で待ち合わせていくのも今日で最後になるかもしれない。
だから話をいっぱいしておこうと私は思った。
着なれないスーツ、履きなれないヒール。
足が痛い…
「足…痛いね」
「確かに…」
と二人で笑いながら職場に着いた。
職場に着くと説明を受け、入社式会場に案内される。
「かばんは横に置いて少し休んでいてください。あと5分ほどしたら施設長たちが来ますので」
そう言われ、待つこととなった。
「あ~!!受かったんだ岡村ちゃん!」
「最初誰かと思ったし!二人ともなんか面接のときと雰囲気変わったね」
そう言った岡村ちゃんこと岡村 琴羽(おかむら ことは)ちゃんは面接のときに一緒になった同じ年の女の子。
私たち三人は同い年ということですぐに仲良くなった。
そしてしばらくして施設長たちが入ってきた。
施設長、理事長など、偉い人が何人かいる中で式が始まる。