どれだけ苦しくても…



「~ということで話を終わらせていただきます」

「では続いてそれぞれの部署を発表したいと思います」


理事長の話が終わり、待ちに待った部署発表。ドキドキとワクワクで胸が鳴り響く。


「ではあいうえお順で発表します。まずは岡村さんから」

「はい!」

「岡村さんはこの度ケアハウスへと決まりました。頑張ってくださいね」

「ありがとうございます」


ほぉ、琴羽はケアハウスか。特養がいいって言いよったのにな…まぁ希望通りにはならんって言いよったもんな。


「はい、続いて靏本さん。靏本さんはこの度ケアハウスへと決まりました。頑張ってください」

「はい!ありがとうございます」

つるちゃんもケアハウス…ってことは私…違うかも。これだけケアハウスに人をとるはずがない。

ってことはデイかな?


「では森さん!森さんはこの度デイサービスへと決まりました。頑張ってください」


おっやっぱりか。まぁデイが良かったのもあるからいいんだけど。

「それではこれからの時間はそれぞれ担当の者が説明に来ますので説明をしっかりと聞いて、明日からの仕事を頑張ってくださいね」


そう言われ、午後からも長い説明の時間が続いた。
長い説明を聞くのはいいが、とてつもなく眠くて、目がつぶれそうになる。


それを耐え、ようやく夕方、説明が終わった。


「それでは一通りの説明が終わりましたので、ロッカーの説明と部署へのあいさつにいきたいと思います」

そして言われるがままについて行き、ロッカーの説明が終わった。
デイに挨拶に行った際、ある男性と目があった。


その時が私とあなたの出会いでした。
出会ってしまった。出会わなければお互いが傷つかなくて済んだものをね。
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