どれだけ苦しくても…
次の日。お互いが初出勤の日。
今日から仕事だ。ちゃんとできるのか心配だ。周りに迷惑をかけないように、周りに悪いように思われないように。
職員間のコミュニケーションも大事になってくる、社会に第一歩を踏み出した。
「おはようございます。今日からよろしくお願いします」
「よろしく。森さんは正社員だから周りより頑張ってね」
「はい、よろしくお願いします」
最初は正社員なんて言葉気にはしていなくて、少し正社員って特別で周りより頑張らないといけなんだ、と簡単に思っていた。
今思えばここまで簡単に考えていた自分がバカだったと思うけど。
挨拶を終え、着替えを済ませデイへと移動する。
「おはようございます、今日から働かせていただく、森です。よろしくお願いします」
「お願いします。」
職員、みんな人が好さそうで、やっていけそうだと思った。
だけど一人目についてしまう人がいる。それは昨日入社式のあいさつの際に目があったあの男。
やっぱり苦手な人だ。苦手で、嫌いな人なのに目がおってしまう。
そして目が合う。何で…。
その日の仕事は流れを教えてもらいながら、利用者様の名前を覚えること。
頭がパンクしそうだったが、早くなれないといけないと思いながら一生懸命だった。
その日の夕方スタッフ会議というデイ全員での会議があり、自己紹介をしてもらった。
そしてわかった。その人の名前。