想いの果てに、
「棗ー!おっはよー!」
「あ、桜、おはよう」
「あれれ?元気ないぞ~?どうかした?」
「うぅん、何でも、ないの……」
桜は私の大好きな親友。
いつも私の相談とかに乗ってくれる、優しい子。
涼には恵まれなかったけど、友達には恵まれてるかも、私…
私はいつも桜と杏奈って子と一緒に居る。
この2人だけは、本当に頼りある友達だ。
でも、頼りある、大事だって思えていたのはついさっきまで。
「キャー!杏奈!この指輪どうしたのー!?」
「桜っ!」
「だってだって!聞いてないよ!彼氏は誰~?」
「な、内緒!」
休み時間、桜と杏奈が妙に盛り上がってる。
私は頭をブンブン振り払って2人に近づいた。
「何々?どうしたの~?」
「棗~、見てコレ!杏奈の左手!」
桜が嬉しそうにパッと手を見せる。
杏奈はちょっと戸惑いながらも私を見た。
私も嬉しそうに指輪を見た。