想いの果てに、
放課後になって、桜はお稽古ってことでさっさと帰ってしまった。
私は決まっていつも教室に残って教室の窓から見える校庭を眺め、涼を応援している。
でも、今日教室に残っている理由は……
「杏奈、綺麗だね、その指輪」
「え?あ、うん。ありがとう!」
「彼氏からのプレゼント?」
「うん、小さい頃から大事にしてたんだって」
「じゃぁ彼氏は杏奈のこともすごい大事にしてるんだ?」
「そ、そうなるのかなぁ~?へへ」
今のうちに笑ってなよ。
私はアンタの泣き顔が見たい。
苦しめたい。
殺してやりたい…!!
「土曜日ね、私いつも涼の家に行くんだぁ~」
「へぇ~?そうなんだ?」
「うん、それでね、涼のお姉ちゃんとお話してたの」
「涼くんの、お姉さんと?」
「うん、そうだよ。指輪の話、聞いたんだ」
「……そ、それで……?」