想いの果てに、
「っ!!!棗っ…!」
「私ね、涼に彼女が出来たって知った日から、決めてたの」
「な、何……を……」
「涼の彼女、殺してやろうって。だから…刺していい?」
「~っ!!」
早く刺そうよ。
偶然にもこんな短期間で涼の彼女を突き止めたんだからさァ。
今なら誰も来ないし、誰も見てないよ。
刺し殺したって、逃げたら誰にもバレないよ。
でも………
目の前で、杏奈がボロボロに涙を流してる。
泣きたいのは私なのに。私だって、今の杏奈以上に泣きたいっていうのに。
殺したい。容赦なんてしない。
だけど……
心の中で、ずっと親友だと信じていた子が泣いている……
私は、つい杏奈に向けたナイフを降ろした。