想いの果てに、
指環
毎週土曜日は日課のように涼の家に行く。

私にとってこれほど楽しみな日はない、だって…

私は小さい時からずっと、涼のことが好きだから…






「涼ー!来たよー」






いつものように玄関で挨拶して、涼の部屋に入る。

返事がなかったからトイレにでも行ってるものかと思えば、涼はベッドの上で小さい寝息を立てながら眠っていた。

いつもはワックスで固めてある髪の毛を、私は思わず掻き上げる。

ん~…っと小さく唸りながら眠ったままの涼を見て、思わず苦笑した。






「よく寝る王子様ですこと~」






私に髪の毛をいじられ続けてもなお目の覚めない涼を愛おしく見つめながら、ポツリと呟いた。






何か少女漫画でよくあるよね、幼馴染で恋人同士って。

少女漫画に限らず、結構よくある話だと思うけど…

恋人じゃなくても、お互い好き同士だったり…ね。






私はこうして涼が好きだけど、涼はどうなのかなぁ…?
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