想いの果てに、
「……なんですか?」
「いんや?」
「何か、私の顔ばっか見てません?」
「自惚れとん?」
「まさか。先輩は私なんかよりも素敵な人が居るはずだし、私は涼だけですから」
「知ってんで」
そう言いながら、隼人先輩は私の頭を撫でた。
私はまた嘘の笑顔を作って頭を撫でてくれる先輩を見る。
先輩の目はどこか、哀れんでいるようにも見えた。
何?涼が他の女に取られて可哀相ってな目で見て…
そっか、隼人先輩、今は私が何も知らないって思ってるからか…
もし、涼に彼女が出来たのを知った時、いや…
しかもその彼女が私の友達…いや、親友だって分かった時、
私がいったいどうなってしまうのか、心配してくれてるのかな?
でも、ごめんね、先輩……
私、もう狂っちゃってるから