想いの果てに、
先輩が心配してること、すでに目の前に来ちゃったよ。
先輩が心配した通り、受け止めちゃったんだよ。私は…
親友に向けてナイフまで突き立てちゃったんだよ?
きっと先輩は、私が涼に彼女出来たってこと、知らないって思ってるんだね。
先輩に向けた笑顔も、引きつった笑顔でしかないね。
本当に……ごめんなさい。
恐ろしいほど恨みの念に駆られて…私自身、私を止められないの。
私が隼人先輩と話している間に、杏奈がそっと桜に耳打ちしたのが私の横目に入った。
「桜、あのね…」
「ん?どうしたの?」
恐らく、こんな感じの会話だろう。
「あ、私まだ授業の準備してなかった!隼人先輩、また後で」
「あぁ、またな」
私は慌てた様子で桜と杏奈の元に戻った。