想いの果てに、

「やっ…!!」






パシっと私の手を払った杏奈の手が、私の左頬に直撃した。

わざとじゃないのは分かってる、でも……






「痛いんだけど…」

「ご、ごめっ…でもっ…」






杏奈の座っている椅子を蹴倒して、椅子から杏奈をこけさせた。

まさか、私にそんな脚力があったなんてね。恨みを持った人間は怖いね。

そして杏奈の左腕をギュっと踏みつけ、指輪をそっと抜く。

グリグリ、っと…杏奈の腕を足で引き千切るように踏みつけた。

うめき声をあげる杏奈なんて、眼中にも入れない。

指輪をそっと電気にかざしてみると、

指輪の裏側に「R」と彫ってあるのが見えた。






じゃぁ、涼のはめてる指輪には……






ズキンッ、と私の心臓を何かが貫く。

< 26 / 59 >

この作品をシェア

pagetop