想いの果てに、
「やっ…!!」
パシっと私の手を払った杏奈の手が、私の左頬に直撃した。
わざとじゃないのは分かってる、でも……
「痛いんだけど…」
「ご、ごめっ…でもっ…」
杏奈の座っている椅子を蹴倒して、椅子から杏奈をこけさせた。
まさか、私にそんな脚力があったなんてね。恨みを持った人間は怖いね。
そして杏奈の左腕をギュっと踏みつけ、指輪をそっと抜く。
グリグリ、っと…杏奈の腕を足で引き千切るように踏みつけた。
うめき声をあげる杏奈なんて、眼中にも入れない。
指輪をそっと電気にかざしてみると、
指輪の裏側に「R」と彫ってあるのが見えた。
じゃぁ、涼のはめてる指輪には……
ズキンッ、と私の心臓を何かが貫く。