想いの果てに、
「やっばーい!遅刻しちゃう!」
昨日の放課後、隼人先輩と話しこんでいたことを考えすぎて夜は眠れなかった。
どうしてもいいのか分からず、こみ上げてきた感情を抑えるようにして泣いたりしていた。
素直に祝福しようなんて、絶対に出来ない。
私は、それほど涼が大好きだから……
校門は時間になるとしまってしまう。
自分の左手についた腕時計を見ながらとにかくダッシュした。
ダッシュした甲斐があったのか、私はギリギリで校門に到着。
閉めかねた先生たちは小さく舌打ちをして、門を閉めて職員室に向かった。
先生たちは毎朝職員朝礼があるんだよね、いつもお疲れ様。
教室に向かおうとした靴箱で、私は誰かがヒソヒソ話しているのが聞こえた。