想いの果てに、

1時間目までに杏奈は帰ってこなかった。

鞄があるのに、と思っていると桜がニヤニヤしながら声をかけてきて私にこう言ったのだ。






『彼氏に会いたくなったみたいよ』






と。










1時間目終了後、杏奈が帰ってきた。

ちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめ、でも幸せそうな表情で……。

「杏奈ー!どこ行ってたのよー!」

「あ、ちょ、ちょっと体調悪くて…」

桜が茶化すように杏奈に駆け寄る。






あの後色々あったのか、チラリと杏奈の白い首筋に紅い華があるのが見えた。






あぁ、そっか。

涼と杏奈は、そこまで愛し合っているんだね……

私の想像以上に、2人はお互いの事を大事にしているんだ……

じゃぁ、私は喜んで2人を
















引き剥がしてあげるね
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