想いの果てに、
放課後になって、いつものように杏奈と私で2人になろうものかと思った。
しかし、2人になる直前に杏奈はコソコソと教室から鞄を持って出て行く。
きっと私と2人じゃ居ずらいんだろうなぁとか思いながら、こっそり後をつけた。
杏奈が向かった場所は図書館。
誰も居なくて静かだ。
生憎校庭は見えないけど、部活を待って読書をしたりするのには1番有意義な場所だろう。
しばらくは図書館に入らずに、杏奈の様子を見守ることにした。
杏奈は鞄の中から鏡を取り出し、チラチラと首を見ている。
そんなに……嬉しいんだ…?
「嬉しそうね」
「!?」
私は図書館に入りドアを閉め、その閉めたドアに凭れかかって腕を組んで杏奈を見た。
杏奈は驚いて不意に振り返る。
「棗!?」
「聞きたいことがあったんだ。今日ちょっと見たくないもの見ちゃったから」
「き、聞きたいことって……」
「朝……杏奈、涼とキスしてたでしょ?」
「……―――!!」