想いの果てに、

放課後になって、いつものように杏奈と私で2人になろうものかと思った。

しかし、2人になる直前に杏奈はコソコソと教室から鞄を持って出て行く。

きっと私と2人じゃ居ずらいんだろうなぁとか思いながら、こっそり後をつけた。
















杏奈が向かった場所は図書館。

誰も居なくて静かだ。

生憎校庭は見えないけど、部活を待って読書をしたりするのには1番有意義な場所だろう。

しばらくは図書館に入らずに、杏奈の様子を見守ることにした。

杏奈は鞄の中から鏡を取り出し、チラチラと首を見ている。






そんなに……嬉しいんだ…?






「嬉しそうね」

「!?」

私は図書館に入りドアを閉め、その閉めたドアに凭れかかって腕を組んで杏奈を見た。

杏奈は驚いて不意に振り返る。

「棗!?」

「聞きたいことがあったんだ。今日ちょっと見たくないもの見ちゃったから」

「き、聞きたいことって……」

「朝……杏奈、涼とキスしてたでしょ?」

「……―――!!」

< 38 / 59 >

この作品をシェア

pagetop