想いの果てに、
指を絡ませていると、ふと違和感を感じた。

違和感を感じた指を見ると、そこには綺麗な指輪がスッポリはまっている。

シルバーの指輪で涼からそっと外すと同時に涼のお姉ちゃんが部屋に入ってきた。

兄弟の居ない私にとって涼のお姉ちゃんは実の姉のようで、私も「お姉ちゃん」と呼ばせてもらっている。






「お姉ちゃん?どうしたの?」

「ご飯できたから呼ぼうと思って……あら?棗ちゃん、その指輪どうしたの?」

「あ、これ涼の。はめてたんだ」






私は慌てて指輪を涼の指にはめ戻す。

そんな私を見て、お姉ちゃんはニヤリと笑った。






「左手の薬指…。涼もやるわねー」

「………?」

「棗ちゃん、涼は棗ちゃんの知ってる通り可愛げのない生意気な弟だけど、仲良くしてあげてね?」

「へ……?」






何かよく分からなかったけど、悪い気はしなかった。

だって、お姉ちゃんの言い方からして、涼は絶対私のこと…





「あれ?棗ちゃんははめてないの?涼とお揃いの指輪…」











「……え?はめてないよ…?」
< 4 / 59 >

この作品をシェア

pagetop