想いの果てに、
憎しみと信頼


ねぇ、

私さ、

もう自分捨ててもいいかな?






そのくらい杏奈が憎いんだ。

私の気持ちに気付いてくれない涼も憎いけど…

杏奈に対する憎悪の方がはるかに強い。






何でここまでするかって…?

そこまで私は涼が好きだからだよ…!












ズカズカと歩いて杏奈の髪の毛を鷲づかみにする。

そのまま上下に揺さぶって顔を上げさせた。






「痛い!!やめて!!棗っ!!」

「痛い~?へぇ、そう。可哀相」

「やめてー!!やめてやめてやめて!!!誰かぁ!!!」






私はそのまま杏奈の髪の毛を掴んだまま、本棚に叩き付けた。

杏奈の表情が、更にキツくなる。更に涙で濡れる。

「杏奈、私の質問に答えてくれる?」

「や、やだぁ…助けてっ、涼っ……」






「……何?涼って呼び捨てしてんの?」






前まで「涼くん」って言ってたよね?

いつの間に呼び捨てなんてしちゃってんだろ、この子。

私の知らない間にそんな関係に…






ま、当然といえば当然か。体の関係まで持ってるわけだし。
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