想いの果てに、
病院に到着し杏奈が治療を受けている途中、ようやく隼人は口を開いた。
「涼、ちょい話あんねんけど」
「先輩……。俺に話って……」
「…今のうちに言うとくわ」
何だろ…
もしかして、さっきの事か…?
杏奈も何だか血まみれだし…一体何があったんだ…?俺の知らない間に…
もしかしてもしかして隼人先輩も杏奈の事が好きとか!?
うわー、もしそうだったらどうしよー…
涼のそんな考えがまるっきり顔に出ている。
そんな涼を見て、隼人は苦笑した。
お前の思っとるような話とちゃうから安心しいや?というと、
涼は明らかにホッとしたような表情を浮かべた。
そんな涼を見て、隼人は真剣な表情に変えた。
「…涼、お前ちゃんと杏奈ちゃん見てやっとん?」
「はい?杏奈?そりゃもう毎日見つめてますよ~!」
「そういう意味ちゃうわ!」
「へ?」
「……杏奈ちゃん、いじめられてんで」
隼人のその一言で、涼も真剣な表情になる。
それもそのはず。今日の帰り、現に杏奈は血まみれになって、治療を受けている。
「誰にッスか…?」
「………」